COLUMN コラム
2025.11.10
【Figma】バリアント機能の使い方を紹介【プロトタイプへの反映方法も】
デザインシステムを効率的に管理するうえで欠かせないのが、Figmaの「バリアント」機能です。バリアントは複数の状態(ホバー時、クリック時、非活性時など)をひとつのコンポーネントにまとめることで、デザインの一貫性を保ちつつ、更新・管理を大幅に効率化できます。
今回は、基本的な「バリアントの作り方」から「プロトタイプへの反映方法」までを、順を追って解説します。
1. バリアントとは
「バリアント(Variant)」とは、ひとつのコンポーネントに複数の状態やバリエーションを持たせるための仕組みです。例えばボタンを例にすると、以下のような「見た目が少し違うが、同じ役割を持つ要素」をまとめて管理できます。
- 状態
- 説明
- Default
- 通常状態
- Hover
- マウスオーバー時
- Active
- クリック時
- Disabled
- 無効状態
2. バリアントの作り方
2-1. コンポーネントを作成する
まずは、ベースとなるコンポーネントを作成します。
ボタンやトグルスイッチなど、状態を持つUIパーツが対象です。今回はシンプルなボタンで説明します。
【操作手順】
ボタンパーツを作ります。

作成したボタンを右クリック → 「コンポーネントを作成」 をクリックします。

そもそもコンポーネントが分からない!という方は、以前書いたコラムで紹介していますので、ご参照ください。
FigmaでUIデザインを始めよう!初心者向けガイド
2-2. バリアントを追加する
次に、作成したコンポーネントにバリアントを追加します。
【操作手順】
コンポーネントを選択した状態で右側のプロパティパネルの+ボタンから「バリアント」をクリック。

すると、ボタンが点線で囲われた状態になりました。この点線で囲われた状態が、バリアントが設定されている状態になります。この状態にすることで、複数デザインの差分を用意できるようになります。

2-3. 差分のデザインを作成する
それぞれのバリアントに応じたデザイン差分を作成します。
今回は説明をシンプルにするために、以下の2つの状態を設定します。
default(通常)
hover(ホバー時)
【操作手順】
点線で囲われた領域をクリックし、+ボタンをクリックします。

バリアントが追加され、そのバリアントが選択された状態になります。このボタンにはホバー時のデザインを適用したいので、塗りやテキストカラーをホバー時の色に変更しましょう。また、右側の「名前を変更」からわかりやすい名前に変更しておくと、デザインファイルが見やすくなります。

「default」と「hover」という名前にして、ホバー時の色は反転させました。左側のレイヤーパネルでも名前が変わっているのが確認できると思います。

また、点線で囲われた領域にも名前をつけることができます。初期値は「プロパティ」という名前でわかりにくいので、「state」という名前に変更しておきましょう。

3. 作成したバリアントを使用する
3-1. アセットからインスタンスを挿入する
バリアントが作成できたら、実際にデザイン内で使用してみます。
【操作手順】
左側の「アセット」タブを開き、作成したコンポーネントをキャンバスにドラッグ&ドロップします。

3-2. stateを切り替えてデザインが変わることを確認する
インスタンスを選択すると、右側パネルに「state」が表示されます。
プルダウンから「hover」を選択し、hover時のデザインに切り替わることを確認します。

4. プロトタイプへの反映方法
作成したホバー時のデザインは、実際にプロトタイプで動かすこともできます。以下にプロトタイプへの反映方法を紹介します。
4-1. アセットからインスタンスを挿入する
プロトタイプで動作を確認するために、別のアートボードを用意します。そこにstateがdefault(ホバー前のボタン)のインスタンスを配置してください。

4-2. 右側ナビゲーションで「プロトタイプ」を選択
元のアートボードに戻り、メインコンポーネントのstateがdefaultのボタンをクリック。右側のナビゲーションメニューのプロトタイプタブから「インタラクション」を選択します。

4-3. インタラクションを追加してアニメーションなどを設定
インタラクションで「マウスオーバーした時」に「stateがhover」のボタンに切り替わるように設定します。アニメーションや曲線、所要時間はお好きなものを設定いただいて構いません。
【設定の例】
トリガー:マウスオーバー
アクション:次に変更
state:hover
アニメーション:ディゾルブ
曲線:イーズアウト
所要時間:300ms

4-4. プロトタイプで確認
右上の「▶︎再生」ボタンをクリックし、実際の動作を確認します。
ホバーに応じてstateが切り替われば設定完了です。

おわりに
今回は、Figmaのバリアント機能を使って複数の状態をまとめる方法と、プロトタイプへの反映方法をご紹介しました。
バリアントは、デザインの管理を効率化できるだけでなく、クライアントにもあらかじめ実装イメージを共有することができ、実装後の手戻りを少なくできるといったメリットもあります。
是非この機会にバリアント機能を活用して、より効率的でわかりやすいデザイン管理を実践してみてください。