COLUMN コラム
2021.6.23
HTML5の廃止、次の主流は?
人によっては今更な話題かもしれませんが、”HTML5”は今年に入ってから廃止されていたことをご存知ですか?
そもそも”HTML5”とはW3Cが策定していたHTMLのバージョン5となる改訂版のことですが、2021年1月28日付で無効=廃止され、”HTML Living Standard”が新しくHTMLの主流、標準規格となりました。
1. HTML5廃止の経緯
W3CがWHATWGのHTML Review Draftを推奨勧告したことにより、WHATWGの策定していた”HTML Living Standard”がHTML技術仕様の標準規格となりました。(W3Cニュース)
”HTML5”はW3Cが仕様策定・勧告を進めてきました。
このW3Cとは別にApple, Mozilla, Operaが設立したWHATWGという団体が独自に策定を進めているHTML仕様が”HTML Living Standard”です。
まとめると、
HTML5 → W3Cが策定。
HTML Living Standard → WHATWGが策定。2021年1月にW3CがHTML標準として推奨。
W3Cとは
World Wide Web Consortium(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)は、World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進する為に設立された標準化団体、非営利団体である。
WHATWGとは
W3Cが策定したXHTMLや、W3Cがウェブ開発者の要望を軽視していることなどを不満に思ったApple、Mozilla、Operaの開発者たちによって2004年に結成された[1]。2017年末にはMicrosoftも参加している。
2. ダブルスタンダードからシングルに
W3CとWHATWGは今まで協力して進めることもあったようですが、進め方の相違から別々に仕様を決めるようになり、いわばダブルスタンダードな状況が生じていました。
HTML技術仕様書が二つ存在して、大まかには同じ内容だけど細かなところで微妙に異なっている、なんて開発者泣かせな状況ですよね。
どうしてそのような状況になったかというと、両者の進め方の違いが大きかったと言われています。
最終勧告により、きちんとドキュメント等々も整備しオフィシャルなものとして発行したかったW3Cと、ウェブ開発者の要望目線でより現場主義感が強く、順次アップデートすることで日々進化を求めたWHATWG。
・W3Cではバージョン管理
作業草案→勧告候補→勧告案→勧告で段階を踏んで完成版の仕様を策定
・WHATWGでは日々改訂・修正・強化がはかられる
“HTML Living standard”は日々アップデートされ続ける仕様を目標
またWHATWGは主要ブラウザを抱えています。Safari、Firefox、ChromeはWHATWGの仕様に沿って開発されていたとのことなので徐々に影響力を増していくことは想像に難くないですね。
3. HTML5との違いは?
現状基本的に大きな差異はありません。しかしながら、”HTML Living Standard”は日々更新されるので常にアップデートの波に乗れるよう注目です。
今後はHTMLでなにかチェックしたいことがあれば従来のW3C仕様書ではなく、”HTML Living Standard”の仕様書をチェックしにいくようにしましょう。
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