webデザイナーが知っておきたい開発環境

 

基本のコーディングに慣れてきたところで次のステップとして効率の良い開発環境を模索する方、仕事で使われていて習得する必要のある方、新たな手法に興味津々な方、とアプローチは何であれ、

 

耳慣れない用語に対して、何となくそのままにしてしまってはいませんか。理解への最初のステップとして、よく使用される用語の概念をざっくりと整理してみました。

1.webデザイナーの定義?

webデザイナーという職種には明確な定義がなく、どこまで業務を受け持つかは会社によるところも多いのではないでしょうか。そのため個々人のスキルセットも多様化しているように感じます。

 

デザイン専門のwebデザイナーもいれば、ディレクション〜デザイン〜構築まで幅広く担当するwebデザイナーや、プログラマー並みに実装が得意なwebデザイナーなど様々存在すると思います。

 

マルチスキルでいくのか、何かに特化したいのか、目指す方向性によっても変わってきますよね。

 

2.進むのが早いwebの世界

そうした少しずつ異なるスキルセットのwebデザイナーがいるなかで、サイト制作というのは一つの共通した作業目的です。(例え自分で構築はしないというタイプであっても、一連の工程を理解し、用語を把握しておくことは大事ですよね。)

 

webの世界は進むのが早いとよく言われるように、日々進歩する開発環境においても、gulpやnpmなど、デザイナーにとっては馴染みのない単語が増えてきました。

 

作業を効率化すべく日々使用&取り入れているエンジニア、一方でデザイナーにとっては確認・編集ベースでの作業や業務上の連携で知っておかねばならない程度がほとんどで、デザイナー(非エンジニア)にとっては学習のハードルが高くなっているのではないでしょうか。

 

馴染みのない事柄へは誰しも少しは抵抗を感じてしまうかもしれませんが、web業界へ身を置く人は特に、未知への抵抗感を減らし積極的に取り込んでいく姿勢を身につけることがメリットになると思います。

 

こうしたwebのフロントエンド環境について、どのようなものがあるのか、一部を紹介しなから整理していければと思います。

 

・拡張機能Pug, Sassの登場

webサイト制作において、基本的にはHTML, CSSのファイルがあれば、見た目のしっかり整ったものが作成できますよね。

 

ところがページ数の多い大規模サイトだったり複雑な技術を使用するサイト構築では、より効率の良いやり方が必要となってきます。

 

そこでよく使用されるのがPugとSassではないでしょうか。

Pug  → HTMLの拡張(HTMLを効率よく書くためのテンプレートエンジン)

Sass → CSSの拡張(CSSを効率よく書くための言語)

 

HTML,CSSと違ってPugとSassがどう便利なのか?例えば、従来のCSS記述では「この色を変えたい!」となった際に対象カラーのCSSコードをファイルから抽出し、逐一変更しなければなりませんでした。

一方で変数を用いるSass記法では変数の値を変更するだけで事足ります。これだけでも凄い作業効率の良さを感じられることと思います。

 

・拡張機能の問題点

しかしPugやSassにも問題点がありました。

それはそのままの記述ではブラウザが認識してくれない、というものです。

開発環境を整えてせっかく効率よくコードを書いたのに、最後は基本のHTML,CSSの記述に変換しなくてはならないのです。

 

・問題点を解決するgulp, npm

そこで登場するのがgulp、npmです。

gulp → SassをCSSへ、PugをHTMLへコンパイルする

npm → gulpを管理・操作する

※コンパイルとはプログラミング言語で書かれたソースコードをコンピュータが理解できるコード(実行可能な形式)へ変換すること

 

PugやSassで書いたコードをHTML,CSSへ変換してくれるのがgulp、そのgulpを操作できるのがnpmということですね。

 

また、gulpはNode.jsをベースとしたタスクランナー(自動処理ツール)の一つなので、使用するにはまずNode.jsをインストールするところから始めねばならないですが長くなるので今回は割愛します。

 

3.おわりに

効率化させるための手法→問題点→改善手法という形でどんどん洗練されたやり方が確立されていく様を追うことで体系が見えてきました。ですが頭で理解することと実際に使いこなせるかどうかは別物で、実際に使いこなせて初めて理解に近づくということもあります。日頃から触れるよう心がけ、実践へと活かしていきましょう。

 

弊社では士業やメディア、医療関係を中心にサイト制作を行っております。webサイトについてお悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

色のユニバーサルデザイン

 

人にはさまざまな色の見え方があります。
自分が見ている色は、他人が見ている色と違う色に見えているかもしれません。

 

例えば、
黒板に赤文字で書いている文字は、一般的に重要な要点を書いていることがあります。
しかし、深緑の黒板に赤色の文字は、色弱(色覚異常)の方には見えづらく感じることがあるのです。

 

 

 

1. 色弱ってなに?

人間の網膜には、3つの錐体がありますが、この3つが1つでもうまく働いていないと色が見えにくくなります。遺伝によって、2つしかなかったり1つしかなかったりします。

 

遺伝以外では、病気・怪我・ストレスなどで色が見えにくくなることもあります。

 

さらに、歳をとるとさまざまな目の機能が低下し見えにくくなります。(老眼)

 

2.日本人の色弱の方の人数は?

日本人の場合、日本人男性の5%(20人に一人)。
女性は0.2%500人に一人)。

男性に関しては、高確率で色弱の可能性があります。そのため、デザインする際には色の組み合わせを考えてデザインした方がいいときもあるのです。

 

3.色弱の方はどんな色が見えにくい?

赤系と緑系の区別がつきにくい

 

オレンジと黄緑の区別がつきにくい

*茶色はオレンジに黒を混ぜた色です。

 

 

青と紫の区別がつきにくい

 

 

グレーとの組み合わせ(ピンク or 水色 or 緑 + グレー)が見えにくい

 

ピンクと水色の区別がつきにくい

 

赤と黒の区別がつきにくい

 

4.ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは、最初からすべての人々にとって使いやすく設計されたものです。
あるものを改良していくのではなく、最初からみんなにとって使いやすいように設計していくことで、多くの人が快適に過ごせるようになります。

ユニバーサルデザインの先駆け「normalization / ノーマライゼーション」

障がい者を排除するのではなく、障がいを持っていても健常者と均等に当たり前に生活できるとような社会こそがノーマルな社会である。

  バンク・ミケルセン(1950年 / デンマーク)

 

ユニバーサルデザインとバリアフリーデザインの関係性

 

バリアフリーデザインは、障がい者や高齢者、妊婦さんに対するデザインを指します。
ユニバーサルデザインはその方たちも含む全ての人々を指し、国籍や性別も関係なく使いやすいデザインのことです。

5.おわりに

見る人によって、色の見え方がさまざまであることがわかりました。
重要な情報は色だけのデザインで伝えるのではなく、文字をしっかりと見やすく書くなどユーザーが困らないようなデザイン設計を心がけていきたいです。

 

出典:色彩検定UC級公式テキスト

 

弊社では士業やメディア、医療関係を中心にサイト制作を行っております。webサイトについてお悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

Illustratorについて~基本の使い方~

デザイナーにとって欠かせないツールの一つ、Illustratorの使い方について説明します。

Illustratorの特徴

Illustratorはベクトル形式で描写します。複雑な画像よりも、主にロゴやイラストを作成するツールとして用いられます。

ベクトル形式

画像のアウトラインをアンカーと呼ばれる座標と、セグメントと呼ばれる線や数式によって表す形式です。Illustratorの他に、Canvas、CorelDRAW、Inkscapeなどもベクトル形式を採用しています。

長所

拡大・縮小・変形しても画質が崩れません。

短所

多彩な色表現が苦手です。そのため写真などの複雑な画像を作成する際は向いていません。

図形作成のポイント

Alt(Option)+ドラッグ

Alt(Option)+ドラッグを押しながら描くと、中心から描けます。

Shift+ドラッグ

Shift+ドラッグを押しながら描くと、縦横比を固定して描けます。

↑↓キー

ドラッグ中に↑↓キーを押すと、オブジェクトの角の増減ができます。

パスの構造

直線による図形は、アンカーポイントと、ポイント同士を結ぶセグメントで構成されています。楕円のような曲線による図形は、アンカーポイントから方向線が伸びています。

ダイレクト選択ツールにてアンカーポイント、セグメント、ハンドル(方向点)を移動することができます。

段落パネル

1.インデント

字下げの設定をします。1行目左インデントに、文字サイズ1字分の距離を指定すると冒頭1字下げの体裁になります。

 

2.間隔の調整

段落前の空きを調整します。

3.禁則処理

「、」「。」や()、約物などを行頭や行末にくることを禁止する処理を禁則処理と言います。「強い禁則」では「ゃ」「っ」などの拗促音や「ー」も禁則処理対象になります。

4.自動ハイフネーション

英文の長い単語が行末にきた場合に、単語の適切な箇所にハイフンを挿入します。

文字パネル

1.フォントサイズ

フォントサイズを設定できます。

2.行送り

行送りを設定できます。日本語の場合、読みやすいサイズは文字サイズの50と言われています。行送りでいうと1.5になります。(縦読みは50%100%、横読みは50%75%に設定すると読みやすいです)

3.垂直比率

文字の通常の高さを基準にして拡大、縮小します。

4.水平比率

文字の通常の幅を基準にして拡大、縮小します。

5.カーニング

カーニングとは、文字同士の間隔を調節する技法のことです。カーニングを行わない場合、文字の間に不自然な空白を招いてしまうこともあります。また、文字間隔が等間隔でも不自然に見えてしまう場合もあり、その際は不均等に間隔を広げることでバランスよく読みやすいテキストに認識されます。調節する際は目視で文字列を確認しながら行います。

操作方法は、文字と文字の間にカーソルを置いて、個々の文字間隔を詰めたり空けたりします。タイトルや見出し文字など、大きいサイズで文字組みする場合に使用したりします。

 

6.自動カーニング

文字全体を選択して「メトリクス」や「オプティカル」、「和文等幅」を選ぶと、文字幅に応じたカーニング設定が自動で行うことができます。

メトリクスカーニングフォントデザイナーが計算した文字ツメを行います。ペアカーニング情報(Wa、We、Ya、Yo、Taなど文字間に関する情報が含まれた物)に基づいて最適な文字詰をします。

https://www.thinkforme-design.com/post/metrics-optical_02

オプティカルカーニングIllustratorが判断して文字ツメを行います。隣り合った文字間を、文字の形に基づいて調整することができます。ペアカーニング情報が含まれていないフォントの場合、こちらを使用します。日本語フォントではペアカーニング情報を持ったタイプはほとんどありません。

https://www.thinkforme-design.com/post/metrics-optical_02

7.トラッキング

複数の文字を選択して、一律に文字間隔を詰めたり空けたりできます。

8.文字ツメ

文字と文字との間隔を詰めます。間隔を空けることはできません。

9.アキを挿入

文字の前後左右に空きを設定することができます。

10.ベースラインシフト

ベースラインの位置を文字ごとに設定することができます。

11.文字回転

角度指定で文字を回転させることができます。

12.グリフにスナップ

文字にスナップを設定すると、オブジェクトを文字に近づけた際にガイドラインが表示されます。

詳しくはこちら:オブジェクトをグリフにスナップ

様々なツール

はさみツール

アンカーポイントやセグメントの分割したい箇所をクリックすると、パスが分割されます。

ナイフツール

オブジェクトの上をドラッグすると、分割されます。フリーハンドで自由に分割することができます。

連結

オープンパスの端点をくっつけたい時に使用します。くっつけたいアンカーポイントをダイレクト選択ツールで選択し、メニューバーの「オブジェクト」「パス」「連結」を選択します。

平均

揃えたいアンカーポイントをダイレクト選択ツールで選択し、メニューバーから「オブジェクト」「パス」「平均」を選択します。複数のアンカーポイントを選択して水平軸で揃えることもできます。

リフレクトツール

オブジェクトを線対称に反転します。左右もしくは上下対称にオブジェクトを作成することができます。

シアーツール

オブジェクトを傾けたり歪ませる時に使用します。オブジェクトに影を作りたいときに便利です。

グラデーションメッシュツール

グラデーションメッシュツールは光沢感や立体感を出したいときに使用します。メッシュラインと呼ばれる網目のパスを操作し、高度なグラデーションを作成することができます。

メッシュツールを使ってオブジェクトをクリック、もしくはメニューバーの「オブジェクト」「グラデーションメッシュを作成」を選択します。メッシュポイントはアンカーポイントと同じように方向線を使って編集できます。

グラデーションの設定

フラット:オブジェクトの塗りが均一でハイライトはありません。

中心方向:オブジェクトの中央にハイライトを適用

エッジ方向:オブジェクトの輪郭線にハイライトを適用

ダイレクト選択ツールでメッシュポイントを選択して色を白に変更すると、光が当たった立体的なオブジェクトを作ることができます。

透明パネル

オブジェクトの不透明度に関する設定ができます。不透明マスクを作成することもできます。

不透明マスクの作成:オブジェクト(四角)の上にオブジェクト(丸)を重ね、両方のオブジェクトを選択します。透明パネルのメニューから不透明マスクの作成を選択します。

ショートカットキー

よく使用するショートカットキーをまとめました。

ファイル

新規ドキュメントの作成 Ctrl(⌘)+N
ドキュメントを開く Ctrl(⌘)+O

ツールの持ち替え

選択ツール V
ダイレクト選択ツール A
ペンツール P
文字ツール T
拡大、縮小ツール L
グラデーションツール G

画面表示

全体表示 Ctrl(⌘)+O
100%(実寸)で表示 Ctrl(⌘)+1
ガイドをロック Alt+Ctrl+;/Option+⌘+;
ガイドを解除 Alt+Ctrl+5/Option+⌘+5
定規を表示・隠す Ctrl+R/⌘+Option+R

オブジェクト

塗りと線を切り替える X
オブジェクトを隠す Ctrl+3/Option+⌘+3
全て表示 Alt+Ctrl+3/Option+⌘+3
クリッピングマスクの作成 Ctrl(⌘)+7
クリッピングマスクの解除 Alt+Ctrl+7/Option+⌘+7

オブジェクトの重ね順

最前面 Ctrl(⌘)+Shift+]
前面へ Ctrl(⌘)+]
背面へ Ctrl(⌘)+[
最背面 Ctrl(⌘)+Shift+[

おわりに

今回はIllustratorの基本操作の一部についてまとめました。バージョンがアップされると機能も追加されていきますが、基本的な操作は変わりません。ツールがたくさんあるため最初は使い方に迷ってしまいますが、各ツールの意味を理解して使いこなしていけばイラストやバナーの装飾など、様々なタッチで描くことができます。

弊社では士業やメディア、医療関係の制作実績もありますので、Webサイトについてお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

SassやPugをコンパイルしてくれる便利なアプリ『Prepros』使ってますか?

Prepros』というアプリをご存知ですか?

 

PreprosはWeb開発の際に使用する言語を自動でコンパイルしてくれるGUIツールです。他にも様々な便利機能が搭載されているため、使いこなせれば開発スピードは格段にアップするでしょう。

 

今回はPreprosの基本的な機能をご紹介します。

 

Prepros(プリプロス)とは

先述の通り、Preprosは様々な言語をコンパイルしてくれるGUIツールです。

 

ダウンロード先:https://prepros.io/downloads

対応環境:macOS,Windows,Debian Linux

言語:英語のみ

料金:基本無料(無料版ではポップアップが表示されます。)

Preprosでできること

1.ファイルをコンパイル

Preprosは「Sass」「Less」「Stylus」「Pug(Jade)」「Haml」「Slim」「CoffeeScript」「TypeScript」をコンパイルすることができます。さらにはJavaScriptをバンドルすることも可能です。

ここでは難しいことは説明しませんが、gulpを使用する時のような小難しい設定の必要はなく、黒い画面で指示を出す必要もありません。

2.コードの問題を見つける

記述したコードに問題がある場合、問題のあるコードがどこにあるのかを一目で教えてくれます。同時に作業ログを残すことも可能です。コードに問題がある場合はポップアップが表示されるのでエラーを未然に防ぐことができます。

3.プレビュー機能

Preprosにはhttpおよびhttpsサーバーが組み込まれており、ボタン一つでブラウザプレビューが可能です。さらにはMAMPなどの外部サーバーからページをプロキシすることも可能です。

モバイル端末でのプレビューにも長けており、QRコードを読み込むか、もしくは記載されたURLを打ち込むだけで、手持ちのモバイル端末でプレビューを確認することが可能です。

Preprosはコードを変更するたびに、PC、モバイル端末全てが自動で更新されます。

4.自動ブラウザリロード

例えばCSSで文字のサイズを変更したとすると、CSSファイルを保存したと同時にプレビュー画面が自動で更新されます。

スタイルを変更するたびにページを更新する必要がないのはとても便利ですね。

 

5.圧縮と最適化

JSファイル、CSSファイルの圧縮、さらには画像の最適化を自動で行ってくれます。その際の設定も簡単で、ボタン一つで長い長いコードを一行に圧縮してくれます。

gulpの場合、minファイルの書き出し先や改行を消す設定を黒い画面を使って行っていましたが、Preprosの場合、Minify CSSにチェックを入れてProcess Fileをクリックするだけで指定した箇所に自動で圧縮ファイルを作成してくれます。

Minify CSSにチェックを入れてProcess Fileをクリック

 

CSSファイルに書いたコードが

 

minファイルを自動で作成し、1行に圧縮されます。

 

6.FTPアップロード

Preprosで展開しているファイルをFTP、SFTPを使用してサーバーにアップロードすることができます。

保存したファイルをわざわざFTPソフトを使用してアップする必要はありません。サーバー情報を入力したらあとはアップロードボタンを押すだけです。さらにはUpload Automaticallyにチェックを入れておけば、ファイルに変更があるたびに自動でサーバーにアップロードされ、ローカル環境とサーバー内を常に同期することができます。

おわりに

今回はPreprosでできることを簡単に紹介してみました。まだ書きたいことはたくさんありますが、全て書いてしまうととんでもない長さになってしまうので今回はここまでといたします。

私としてはこんなに便利なツールは他にないと思っているので、この先どんどん深掘りしてPreprosの便利さを普及させていきたいと思います。

 

弊社では士業やメディア、医療関係の制作実績もありますので、Webサイトについてお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

インプットを実践するためのNotion活用法

 

Webデザイナーが勉強しなければならないことってたくさんありますよね。

 

今は書籍以外でも、仕事に役立つノウハウがSNSやメディアサイトに溢れています。しかし、ただインプットの数を増やしても、肝心な時に引き出すことができなければ意味がありません。私も今まで「これは使える!」と思ったものをWebアプリやノートにまとめてきましたが、実践できているとは言えませんでした。

 

しかし、昨年より利用開始した情報管理ツール「Notion」によって、インプットしたノウハウを実践できるようになったと実感しています。今回は10ヶ月以上の利用経験を経て、私自身が感じたNotionの魅力について、実践サンプルを交えて紹介したいと思います。

Notionとは?

Notion公式サイトのスクショ

Notion公式サイト

Notionとは、あらゆる情報を一元管理できるオールインワンの情報管理ツールです。

 

  • 対応環境:Windows / Mac / Android / iOS
  • 利用方法:ブラウザ or アプリ
  • 料金:個人利用は無料

 

「all-in-one」と謳っている通り、これまでデータ形式に応じて別々のツールで管理していた情報(例:テキスト → Evernote、画像 → Pinterest、ブックマーク → Pocketなど)を、Notionひとつで管理できます。Notionで一元管理することで「あの資料どこにあったっけ?」と各ツールを検索して回る必要はなくなります。

Notionが優れている点

Notionを利用するまで、私はインプットを実践するには「すべて覚えなければならない」と思っていました。そのためインプットした直後は「早く実践しよう」と意気込むものの、活かせる場がないと徐々に忘れてしまい、いざという時に引き出すことができませんでした。

 

インプットした情報を忘れずに、引き出せるようになるにはどうすればいいのか?

 

Notionを利用してわかったことは「情報は整理されていれば、いつでも引き出せる」ということです。インプットした情報をNotionで整理しておけば、すべて覚える必要はありませんでした。公認アンバサダーによる紹介ページでも、以下のように記されています。

 

Notionのキーポイントは構造化とページ遷移、そしてUI設計に尽きます。 言うなれば、情報にたどりつくための “UX設計” です。この設計が完璧に機能したとき、完璧な生産性を提供してくれます。

 

筆者では今まで保存やブックマークして満足していた情報が、日々のNotion上のワークスペースで過去の情報を取り出すことが可能になりました。言うなれば未来の自分(または誰か)へのプレゼントです。

『2-2. 情報のオーバービュー』より

 

そして、Notionが他サービスと比べて、もっとも優れていると思う点は「情報を整理する機能」です。ここからはNotionの整理する機能について紹介します。

Notionの整理する機能

1. ブロック編集

Notionでは画像や文字自体の行を「ブロック」という単位で表現しています。ブロックはドラッグ&ドロップで自由に移動させることができるので、積み木を組み立てるように情報を整理することができます。

 

Notionの機能_ブロック編集

※画像では「ダークモード」を使用しているため、背景が暗くなっています。

 

2. マークダウン記法

見出し(3種類)、区切り線、リスト、チェックボックス、トグルなど、通常のマークダウン記法を使用することができます(左図)。また「/(スラッシュ)」と入力すれば、マークダウン記法のショートカットコマンドも使用できます(右図)。

 

Notionの機能_マークダウン記法

 

マークダウンでのメモ作業はサイト制作に近い感覚です。ただ日記を書くだけでも、クリエイティブな楽しさを感じることができます。

 

3. 自由なレイアウト

2列、3列の段組みもドラッグ&ドロップで作ることができます。列幅や画像のサイズ変更も、あらかじめ区切られたグリッドにスナップするように変形してくれるので、自然ときれいなレイアウトが実現できます。きれいにまとまったページは何度でも見返したくなります。

 

Notionの機能_自由なレイアウト

 

4. 埋め込み機能

ほとんどのファイルを埋め込むことができます。画像・音声・動画ファイルやWebサイト、YouTubeの動画やツイートも埋め込むことができます。Googleドライブのファイルにも対応しているので、Googleドキュメントやスプレッドシートにまとめていた資料も参照することができます。

 

Notionの機能_埋め込み機能

 

 

紹介したもの以外にも、Notionには便利な機能がたくさんあります。しかし万能すぎるが故に、いざ利用開始してみると「どう使えばいいのかわからない…」といった悩みが生じやすいです。ここからは私が実践しているNotionのまとめの一部を紹介します。

Notionの実践サンプル

私がNotionを利用する目的は二つあります。一つは「インプットを実践で活かす」こと。もう一つは「同じ作業を繰り返さない」です。すべての機能を使いこなす必要はないので、目的達成のためにはどう整理するのが良いかを考えて、適宜カスタマイズしていきましょう。

1. HTML&SCSS

コーディングで悩む時間を減らすために、日々の業務や勉強で得た知見をまとめます。「フォント」「レイアウト」「モーダル」など多くのカテゴリーがありますが、見返しやすさを優先して1ページに収めています。コーディングの知識は積み上げるほど、作業時間を減らすことができるのでオススメです。

 

Notionの実践サンプル_HTML&SCSS

 

2. デザイン

デザインのアイデアをストックしておきます。選んだ理由や使用場面などのコメントも添えておくと、トリガーとなって発想しやすくなります。「見出し」「ナビゲーション」「カード」など多くのカテゴリーがありますが、どのように整理するのが良いか、まだまだ試行錯誤中です。

 

Notionの実践サンプル_デザイン

 

3. jQuery

案件で実装したプラグインやコードをまとめます。完成コードだけでなく、作業工程での気付き、疑問、反省点を残しておくことで同じミスの繰り返しを防ぎます。

 

Notionの実践サンプル_jQuery

 

4. ツールのショートカット

業務効率を上げるのに最も手軽な方法はショートカットを覚えることです。キーボードとマウス操作の差はコンマ数秒だとしても、毎日繰り返していると大きなロスになります。しばらく使っていないと調べ直すことが多いので、自分が使うものだけをまとめています。

 

Notionの実践サンプル_使用ツールのショートカット

 

 

以上、私のNotionまとめの一部を紹介しました。

 

画像を見ると、あまりきれいにまとまっているとは言えませんが、私が一番見返しやすく実践できる形を求めた結果こうなりました。Notionを利用していると整理自体が楽しくなって、情報を詰め込みすぎたり、きれいなレイアウトにこだわりがちです。しかし、それで本来の目的が達成できなくなっては本末転倒です。きれいに整理できたけど実践できない、と悩んでいる方は整理の仕方を見直してみましょう。

 

おわりに

Notionを活用したインプットの実践方法について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

 

私はNotionを利用してから、ページが増える度に「また一つ、成長できたな」と実感することができ、インプットすることが楽しくなりました。また、変化の早いWeb業界では、新たに覚えた知識もあっという間に古くなってしまいます。頭の中を最新の状態に保つためには、Notionのようなツールで情報を整理しておくことが大切だと思いました。

 

この記事がインプットを実践できないと悩んでいる方にとって、問題解決のきっかけとなれば幸いです。

 


 

弊社では士業やメディア、医療関係を中心にサイト制作を行っております。

Webサイトについてお悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

実装のTPOを考える 〜アコーディオンメニュー〜

 

ウェブサイトで使用されるアコーディオンメニューについて、大抵は見やすさを向上させていると思いますが

 

時たま「分かりにくいなあ」「いちいちクリックしないとどこに何があるかわからなくて使いにくいな…」と感じることはないでしょうか。

 

本来、見やすさ・使いやすさの向上に繋がるはずなのに、どうしてそのような状況が生じてしまうのでしょうか。今回はアコーディオンメニューについて、ユーザビリティの観点から実装のTPO(メリット・デメリット)を考えてみました。

 

 

1. そもそもアコーディオンメニューってなに?

アコーディオンメニューとは

「アコーディオンメニューとは、Webページなどの表示・操作要素の一つで、選択した項目がその場で広がって詳細な内容を表示する形式のメニューのこと。限られた範囲で多数の項目を一覧でき、かつ詳細な内容を即座に参照できるメニュー形式として利便性が高い。」

IT用語辞典 e-Words

 

 

モバイルファーストに適した表示

インターネットで何かを検索する際など、スマホから見られることが大多数を占めるようになってきました。

 

アコーディオンメニューは情報を折りたたんで適宜表示できるため、パソコンに比べ小さく狭いスマホ画面上でも情報量を減らすことなく、見やすさを確保することができる実装方法のひとつです。

 

ユーザーが必要な情報を任意で表示・非表示することができること、これはユーザビリティの観点から見ても重要度の高い表示形式であると言えます。

 

 

実装もより手軽に

HTML5から新たに登場したdetailsタグとsummaryタグを使うことで、従来であれば

 

・JavaScriptやjQueryで実装するか?

・CSSのみでやりくりして実装するか?

 

選択しないとならなかったアコーディオンメニューも、あっという間に実装することができるようになりました。

 

2.FAQはいつでもアコーディオンメニュー?実装のTPO

“いつでもユーザビリティに有効”ということはない

情報整理に有効なアコーディオンメニューですが、「折り畳み表示する=隠れる情報が増える」ことであるため、使用上のTPOを意識しないと折角のユーザビリティを損ねてしまいかねません。

 

大抵は見やすさを向上させてくれるアコーディオンメニューも、たまに「使いにくいなあ」と感じることはないでしょうか。特にFAQ等で使用される場合、煩わしさを生じさせていることが多いのでは、と感じます。

 

そこで、「FAQ箇所にアコーディオンメニューを実装する場合を想定」し、そのメリットとデメリットをそれぞれ考えてみました。

 

実装した場合、デフォルト表示は「回答は非表示、質問のみがズラーっと並んでいる状態」です。

 

実装するメリット

・質問項目のみを一覧で見れるため、知りたい項目が探しやすい

・ユーザーは見たい項目だけクリックして回答を展開し、確認すれば良い

・回答文が長い場合などは折り畳むことでスッキリした見た目になる

・質問項目数が多い場合、回答を隠すことで質問一覧を確認しやすい

 

【結論】回答非表示ですっきりした見た目になり、目的の質問を見つけやすい

 

実装するデメリット

・全ての回答にざっと目を通したい場合等に、逐一クリックしないと回答を確認できない

・逐一クリックが手間で面倒になってしまうこともある

・回答文が短い場合、折り畳むことに意味があまり無く、手間だけが増えてしまう

・回答をユーザーに見て欲しいときには適さない

 

【結論】多くの回答に目を通したいとき不便

 

以上を踏まえると、質問の項目数が少ないときや回答文が短いとき(=見た目をスッキリさせる必要がないとき) は不要であることが分かってくると思います。

 

3.おわりに

実際の構築では「殆どの回答に目を通したいユーザーが多いはず、でも質問項目数も多い」という状況もあると思います。その場合、アコーディオンメニューを実装+初めから回答を全展開させておくことで上記のデメリットを補うことができるかもしれません。

 

そのように、目的や条件を考慮して適した見せ方をできるのが一番ですよね。

 

メリットとデメリットを洗い出し把握した上で、状況に合わせて実装の有無や表示形式を設計することが重要です。これからもユーザー導線を意識した使いやすいサイト制作を心がけていきたいです。

 

弊社では士業やメディア、医療関係を中心にサイト制作を行っております。webサイトについてお悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

配色技法 -4パターン紹介-

 

 

今回は配色技法4パターンを紹介します。
配色例・具体的な例を用いて説明するので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

1.ドミナントカラー

3色以上の配色において
ひとつ色相を決め、その色相でまとめた配色のことです。


 

 

例 ) オレンジを基調とした風景

2.ドミナントトーン

3色以上の配色において
同じトーンで、全体のトーンを統一させる配色です。


 

例 )トーンが同じ色のマカロン

3.トーナル配色

中明度、中・低彩度の中間色だけを使った配色です。
穏やか・落ち着いたイメージになるのが特徴的です。

 

 

例 )落ち着いた色のファッション

4.カマイユ配色

カマイユとは、フランス語で「単色画法」の意味です。2色がとても似ていて単色に見える配色です。

 

 

 

例 )花の色

5.おわりに

今回は配色について4パターン説明をしました。
いかがでしたでしょうか。
何気なく見ていたものも、今回の記事を読んでいただいて見方がかわるかもしれませんね。
今後も配色について紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
弊社では、webサイトの制作をしております。
お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

出典:色彩検定2級出る順テキスト&問題集

デザインの配色を考える際に参考になるサイトまとめ

デザイナー初心者にとって、色の配色やバランスを考えるのって結構難しい。どの色をメインにして、どの色をアクセントにしようか考えた時に、配色する手助けになるサイトをご紹介します。

目次

いつもの制作過程で使えそう

color hunt

Colorable

cool colors

palette list

アイデアが思い浮かばないとき

Coolors

Colors UI

グラデーションを作成したいとき

Grabient

Itmeo

マテリアルデザインに特化したサイト

Material Palette

人工知能AIが配色してくれるサイト

Khroma

Color hunt

colorhunt-img

https://colorhunt.co/

ユーザーが配色を作成することができます。検索窓の「Search Paletts」からメインのカラーを選べることができるため、メインカラーは決まっているけれどサブカラーが決まらないといった際に配色アイデアの参考にもなります。

Colorable

https://colorable.jxnblk.com/

こちらの配色サイトは、制作したデザインコントラストがアクセシビリティに適しているかどうかチェックしてくれます。テキストと背景の色を設定し、テキストに「AAA」など表示されれば問題なし。「Fail」が表示されると配色に問題があるのでデザインカラーを変更した方が良いでしょう。

cool colors

coolclors

https://saruwakakun.com/design/gallery/palette

Webサイト制作でもわかりやすい記事を書かれている、サルワカさんの配色パターンサイトです。組み合わせは少ないですが、配色の割合もわかりやすく、右側に配色プレビューもあるので、デザイナー初心者にオススメなサイトです。

Palettelist

palettelist-img

https://www.palettelist.com/

2色選択するだけで、配色パレットを作成してくれます。デザイン制作において、ベースカラーは決まっているけれどアクセントカラーをどうしようか考えているときに、ヒントになりそうな配色サイトです。作成した配色パレットはcss、SASS、SVG形式にダウンロードもできます。

Coolors

coolors-img

https://coolors.co/

スペースキーでランダムに配色を設定します。何もアイデアがないときに役立ちます。変更したくない色は、鍵マークの「Toggle lock」をクリックすると固定されます。URLやPDF、CSSなどにエクスポートでき、機能が充実している配色サイトです。

Colors UI

colors-ul-img

https://colorsui.com/

パレット形式だけでなく、色を選択してその色の明度も作成できます。自分でカラーパレットを作成することもできるので、オリジナルの配色を作りたいときに使えそうです。また、写真や画像をアップロードして色を抽出する機能もあります。

Grabient

grabient-img

https://www.grabient.com/

グラデーション配色の参考になるサイトです。配色の割合や角度、色数を変更できるので、自分の好きな配色にしたい場合は便利です。webデザインでも、グラデーションを使用することがあるので役立ちます。

itmeo

itemo-img

https://webgradients.com/

こちらもグラデーション配色の参考になるサイトです。カラーコードが左下に記載されているので、デザインを制作する際にコピーして反映しやすいです。pngやcssに変換もできるので、デザイナーにとって使いやすい配色サイトだと思います。

Material Palette

material-img

https://www.materialpalette.com/

Googleが推奨する、マテリアルデザインに特化した配色参考サイトです。2色選択すると右側にプレビューが表示され、ベースカラーとアクセントカラーを配色してくれます。

Khroma

khroma

http://khroma.co/

AIで配色を作成してくれるサイトです。50色好きな色を選び「Start Training」ボタンを押すと、いい感じにカラーデザインを作成してくれます。さらに左上の「palette」「Image」「Gradient」を選択すると、グラデーションやパレット形式などで配色を確認することができます。機能性が高い配色サイトです。

色を選択すると、こんな感じになります。

khroma2-img

まとめ

ご紹介したような配色サイトを遊び感覚で触っていても、自分のデザインの引き出しになると思いました。色の数が増えるほどデザイン制作は難しくなりますが、アイデアに詰まったときに配色サイトを参考にすれば制作が捗りそうです。配色やカラーに困った時は、ぜひ配色の参考サイトを活用してみてください。

デザイナーにとって色決めや配色の割合って重要になります。色によって与える印象は異なるので、我々webデザイナーもお客様のイメージに沿ったデザイン案をご提案させていただいております。webサイトの立ち上げ・改修などをお考えの方はぜひご相談ください。

HTML入門〜HTMLとはなにか〜

1.HTMLとは?

HTML(HyperText Markup Language)とはwebページを作成するために開発された言語です。

今目にしているページもHTMLで構成されており、webサイトを作成するにあたって最もポピュラーな言語です。

ですが、HTMLだけでは何も装飾されておらず、HTMLとともにCSSやJavascriptといった言語も合わせて使用されることがほとんどです。

 

2.HTMLCSSJavaScriptの違いは?

HTMLだけでは装飾のないただの文字列しか表示させることができません。

そのままではデザイン的、機能的に不十分なため、CSSやJavascriptを使用しwebサイトを装飾したり、時には画像がスライドするといった動きを付け足す必要があります。

 

そこで弊社のトップページを見てみましょう。

下の画像はHTMLだけを使ってwebサイトを表示した場合です。

 

 

何も装飾されていないため、企業のサイトとして機能しているとは到底言えません。

ですが、CSSやJavascriptを使用しHTMLを飾り付けることで下の画像のように表示することができます。

 

 

3.HTMLを使ってできること

・webサイトの作成

HTMLが最も使われているのがwebサイトの作成です。

HTMLに加え、先ほど説明したCSSJavascriptを使用することでwebサイトに彩りや動きを加え、バリエーションに富んだwebサイトを作成することができます。

 

・HTMLメール

HTMLメールではwebページのように文字のフォントや色、大きさを変えることができるだけでなく、画像や動画を入れるなど、表現力の高いメールを作ることができます。

デザイン性に富んだメールを作成できる反面、メールのデータ容量が大きくなったりレイアウトが崩れてしまう場合もあります。

・アプリ作成

インターネット上で利用できるwebアプリをHTMLで作ることが可能です。

webアプリを開発するメリットにはHTMLで手軽に開発できるという点があります。

難しい技術は不要なので、開発コストの削減が期待できます。

 

4.おわりに

今回はHTMLについて大きく3つの説明をしました。

1.HTMLとは
2.HTMLとCSSとJavaScriptの違いは?
3.HTMLを使ってできること

 

弊社では士業やメディア、医療関係の制作実績もありますので、webサイトについてお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

参考にしたサイト:HTMLでできること! 使うときの注意点や基本の書き方もあわせて解説